中央アルプス・千畳敷の秋



◆中央アルプス 宝剣岳◆

中央アルプスに秋がきた。
7月上旬まで雪があった世界だ。
植物たちは雪の覆いの下で眠りからさめ、
雪どけと同時に春を迎え、待ちに待った夏を力の限り生き、そして束の間の秋。
一年の大半を厳寒の冬とともに生きる植物たちが、
芽生えたその場所を定めの地として、精一杯生きている。
標高2600m、この地に生きる彼らたちにも、秋は実りの季節である。
様々に紅葉して、この夏の生活に、終止符を打とうとしている。
大気は澄み渡り、雲はとうとうとして流れていた。
やがて冷たい雨が降リ、雨はいずれ雪に変わることだろう。



◆中央アルプス ロープウェイ◆

昭和42年に開通した駒ケ岳ロープウェイ。
かつて東洋一といわれた山岳ロープウェイである。
今でも、到着駅の標高、および標高差は日本一らしい。
ふもとの駒ヶ根高原から専用バスで約40分。
しらび平駅からゴンドラは8分弱で千畳敷駅に到着。
駒ヶ根インターチェンジから1時間足らずでここまで登ってきてしまう。
その自由さは、ここに住み着いた植物たちと、何という違いだろうか?



◆ロープウェイ ゴンドラ◆

この季節に紅葉を見に来る観光客の多くは中高年の女性たちだ。
バスツアーで企画旅行に組み込まれているのだろうか。
ご夫婦での参加もちらほら見える。
大半の方は街着に冬着を覆っているだけである。
中には、本格的な登山姿で、駒ケ岳頂上を目指す熟年のアルピニストもいる。
木曽駒が岳は標高2956m。日本100名山の一つである。



◆千畳敷 駒ケ岳神社◆

千畳敷に祭られている駒ケ岳神社。
頂上を目指す人々の、安全への思いを集めている。
快晴の空の元では神々の宴を感じ、
曇天の空の元では神々への畏怖を感じる。



◆ななかまど◆

ナナカマド、この木は燃えにくく、
かまどで7回燃やしても、残っているという。
この岩だらけの高山で、生まれた場所から離れることなく、
厳しい風雪に耐え、今、真紅の実を無数につけて、
今季を閉じようとしている。




◆中央アルプス ◆





◆中央アルプス ◆





◆富士山と塩見岳の遠望◆

遥かに続く、幾重にも幾重にも重なった山並み。
南アルプスの塩見岳の彼方に、
日本の霊峰、富士山の姿。



◆中央アルプス ◆





◆中央アルプス ◆





◆ロープウェイの中より◆

下るロープウェイの中から垣間見た、
渓谷の滝と紅葉。



◆ロープウェイの中より◆

20002年10月2日、束の間の千畳敷でした。
普段は里から眺めるだけですが、
ここには澄み切った空気と、青い空と、白い雲、
吹く風にさらされて、
極限の地に生きる植物たちの見事な生き様がありました。



中央アルプスロープウェイ(公式版)



「駒ヶ根の青い空」に戻ります。

ohara@komagane.com