ガーデンファームが日本を変える
駒ヶ根ガーデンファーム構想への提言―その8
2002年10月28日
小 原 茂 幸
今、日本に一番求められているのは「夢」ではないでしょうか。 地球規模で考えて、10年後50年後100年後、 この国をどうするのか? どういう国にしたいのか? どんな暮らしをしたいのか? 日本のグランドデザインが求められています。 島国の中だけでの平和、安全、 はたまた競争だけを考えれば良い時代ではなくなっています。 市場原理の中で、利潤を生み出さなければならない企業には限度があります。 財政が危機的状態にある中、政府や役所ができることにも限界が見えてきました。 ましてや、業界やファミリー企業だけが良ければいい時代ではありません。 島国の中だけでいけば、護送船団方式も良かったでしょうが、 世界が相手、地球が相手の時代になりました。 NPOは社会的認知度からいっても生まれたばかりです。 ITが情報化社会をますます加速化し、競争を激化させていきます。 日本は東西の冷戦構造の中で、勤勉に働き、休みも返上して仕事に励み、 エコノミックアニマルと称されながらも、 夜も寝ないで三交代制で、働きに働いて今日の地位を築き上げました。 U.S.A.が1980年代、双子の赤字に苦しむ中、 日本は「ジャパンアズNO.1」と呼ばれました。 そしてバブルの崩壊です。 護送船団方式では解決できない時代になりました。 人類は1830年の10億人から1930年20億人、1960年30億人、2000年60億人と、 爆発的に増加しています。 いずれ水不足、食糧難に見まわれる事でしょう。 現在でも人類の3分の2の人々は飢えの中にあります。 更に、環境問題の深刻化。 CO2の発生から見れば、U.S.A.はアフガニスタンの数百倍の邪悪さです。 化石燃料に頼る今の経済システムでは、 地球環境の温暖化による海水面の上昇は、1mとも5mともいわれます。 世界の多くの都市が海に沈みかねません。 一方、内陸では砂漠化が進んでいます。 カスピ海が縮小され、ユーフラテス川は渇水です。 私達は今、大きな文明の転換期に差し掛かっています。 日本をどういう国にしたら良いのでしょうか。 地球環境をどうしたら守られるのでしょうか。 21世紀、私達はどうすれば生き残ることができるのでしょうか。 人間は生物です。 生物としての宿命からは逃れる事はできません。 農業を基本とし、安全な「食」と、健全な自然環境を整備し、 食とエネルギーの地域自給を図りたいものです。 ゴミのリサイクル化を図り、循環型の社会が求められています。 人間社会がが作り上げた文明を維持し、 さらに発展させるためには、 無限ともいえる自然エネルギーをいかに取り込むかにあります。 化石燃料から太陽光、風力、潮力、水力など自然エネルギーへの転換。 また、自然に戻せる資材の活用など、ごみを減少させる生き方。 環境に著しい変化を与える、Co2を発生させる移動手段の縮小など、 これらの解決策は、自然の営みの中にあるものと思われます。 「自然」を更に研究し、 「自然」の流れの中に人類の生き方を同化させることが、 人類の生き残る道ではないでしょうか。 「モノからコト」へ「消費型社会から体験型社会」への意識改革が、 環境負荷の少ない社会を構築することでしょう。 文明維新の時代に、ガーデンファームが果たす役割は、 極めて大きなものがあると考えます。 地球的視野に立って、 日本発の21世紀の新たなグランドデザインを提言し、 目指す方向に向けて、新しい産業の育成を図り、 目的にかなった公共投資を行い、 人類が生き残る新たなシステムを構築したいと考えます。
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