1996年10月、駒ヶ根市に電子マネーの機能を持つ「つれてってカード」が誕生しました。
電子マネーとしては全国でも最初だそうです。
導入したのは駒ヶ根スタンプ協同組合で、
駒ヶ根市からも地域商業の活性化の目的からカード導入事業費の3分の1を補助しています。
かつて駒ヶ根スタンプ協同組合(市内168店舗加盟)では、
顧客サービスとして、買い物のたびにサービススタンプを渡し、
一定の点数になると商品に引き換えるなどして、顧客への還元を行ってきました。
しかし、近年になって郊外に大型ショッピングセンターなどが進出し、
既存商店街の客離れが進みました。
このため、このスタンプサービスをカード化し、
より利便性の高いものへと変換を図ったものです。
カードにはIC(集積回路)が組み込まれていて、
ポイントカードとプリペイドカードの2つの機能が有ります。
ポイントカードとしては、カード加盟店(約145店舗)で買い物をした際、
各店舗に設置された読み取り機で、カードに一定の金額に応じたポイントが記憶されます。
貯まったポイントは1点1円に換算され、
加盟店での買い物や組合主催の各種イベントなどに利用できます。
またプリペイドカードとしては、あらかじめカードに入金することで、
加盟店での買い物ができます。
さらに昭和伊南総合病院や文化会館、こまくさの湯などの一部の公共施設での支払いにも、
カードだけで支払いを済ませることができます。
「つれてってカード」は、スタンプ協同組合発行のものと、
地元の赤穂信用金庫のキャッシュカード併用のものとの2種類が有ります。
併用カードは信金のATM(自動入出金機)を使うことにより、
自分の口座からプリペイドカードに入金することもできます。
カードへの入金は加盟店並びに信金のATMで行い、
入金できる金額の上限は、大人が10万円、中学生以下が1万円までとなっています。
現在、「つれてってカード」の発行枚数は13,000枚を超え、
市民のおよそ3人に1人が所有したことになりました。
この背景には、かつての駒ヶ根スタンプの利用率の高さと、
赤穂信用金庫のこの地域における口座利用率が世帯数の約50%以上という、
高利用率から可能になったものです。
将来は市役所の公共サービスや、バス、タクシーなどの交通機関の支払いなど、
幅広い分野での利用が考えられていますが、
カードが市民生活に定着し、本格的に利用されるようになるのは
これからのようです。
しかし、残念ながら現在のところ、コミュニティーカードとして、
この地域だけでの利用に限られています。
またパソコンなどとの連結は考えられてはいません。
ちなみに、「つれてってカード」の開始後1ヶ月程して、
隣接する伊那市でも電子マネー「いーなちゃんカード゙」が発足しました。
こちらには希望に応じて本人の顔写真がつけられたり、
ポイント機能にキャッシュカード機能をセットして、
バンクPOSサービスを併用した伊那信用金庫キャッシュカード(いーなちゃん伊那信金カード)と、
ポイント機能にクレジット機能をセットした、VISAカード(いーなちゃんVIZAカード)の2種類が用意されています。
さらに、伊那信用金庫本店と伊那市役所の「自動血圧測定器」で測定した、
血圧・脈拍のデータをカードに記憶させることができます。
しかし同様にパソコンなどとの連携は、当分なさそうです。
(1997年4月6日記述・参考資料:駒ヶ根市報等)
2000年3月22日に
赤穂信用金庫 営業統括部 下平様より訂正のメールが届きました。
以下に紹介いたします。
つれてってカードに関するページの中で2、3訂正をお願いしたいと思いましてメール致します。
@駒ヶ根スタンプ協同組合は現在つれてってカード協同組合と名称を変更しております。
A現在発行枚数がもう少し増えております。
B加盟店も飯島町・中川村と増えています。
Cつれてってカードで市役所での各種手数料支払ができるようになっています。
D伊那バス営業所で高速バスの料金の支払にも利用できるようになっています。
(以上詳しくは赤穂信用金庫のホームページをご覧下さい。)
以上細かいことで恐縮ですが訂正をお願い致したくご連絡いたしました。
今後ともぜひつれてってカードへのご理解をお願い致します。