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伊那市有線放送電話(いなあいネット)、
全国初のADSL導入実験に入る。
既存の2線式の電話線で、
メガビット級のデータ電送が可能に。





日本初のxDSLの公開利用実験報告書
「ドキュメント伊那ADSL」伊那xDSL利用実験連絡会編が発刊されました。
丸山学芸図書発刊 A5版
定価2800円
(1998年4月20日)



伊那市有線放送電話農協は、 光ファイバー並みの高速電送が可能なADSL (非対称デジタル加入者通信)技術の実用化を目指して、 全国では初めての導入実験に入りました。
ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)は、電話線として一般的に使われている メタルケーブルを利用して電話を同時併用しながら、 電話では使用しない高い周波数帯域でデータ通信を行う方式です。
現在、上り下りを非対称に設計して、 下り数Mbps上り数百Kbpsの速度で数Kmの電送を行うものが開発され、 欧米では実用化が進んでいます。
光ファイバーを施設するためには多大な投資が必要になるのに対して、 ADSLは既存の電話線がそのまま使えるメリットがあります。
国内ではNTTが昨年末から導入に向けた評価試験を始めていますが、 電送距離の制約や、ISDNとの周波数帯域での干渉等が問題となっています。
ところが、伊那市有線放送電話は、電話線の直径は0.5mmと太く、 電話交換機と加入者端末機との距離がおおむね6Km以内と短く、 更にADSLで使用する周波数帯域に干渉するものが無いなどの理由から、 導入の条件が整っています。
ADSLはモデムであり、性能もかなり向上していることから、 最低でも1.5Mbpsの速度での通信が可能であり、最高8Mbpsの速度も取りざたされています。
伊那市有線放送電話では、 伊那市内のインターネットの研究会(INAJIN ) の協力を得て、この秋までに導入実験に目処を付ける予定です。


『ADSL』の特徴
・ADSLはモデムであり、少数の加入者からでも利用可能である。
・通信速度がV.34モデムに比較して50倍から300倍の速さである。
・上りと下りの速度が異なる非対称通信である。
・3.4KHzまでの通信帯域を避けた広帯域を使用している。
・通信距離には限界がある、。
・専用線接続の為設定が殆ど不必要である。



お問い合わせ先

伊那市有線放送農業協同組合 [いなあいネット]:TEL 0265−78−3215
住所:長野県伊那市境東1420

xDSL利用実験情報関連ページ等

「伊那 xDSL公開実証実験」 WEBPAGE

安江 輝氏による、xDSLのページ

INAJINインターネット協議会による、xDSLのページ

伊那xDSL公開利用実験(安江 輝氏)

伊那xDSL利用実験(KDD研究所)

伊那xDSL公開利用実験「独断業務日誌」(浦野 明氏)

America telechoice online

「わかば日記・1997年4月3日」(赤尾晃一氏)

xDSL利用実験参加企業・団体等

UBA(Unix Business Assosiation)

株式会社数理技研

国際電信電話株式会社(KDD)

●ソネット株式会社

パラダインジャパン株式会社

住友電気工業株式会社

WESTELL

日本電気株式会社

日本サン・マイクロシステムズ株式会社

xDSL利用実験参加企業・団体等(地元)

伊那市有線放送農業協同組合

上伊那農業協同組合

伊那市

富士通長野システムエンジニアリング株式会社

長野県協同電算株式会社

アド・コマーシャル株式会社

株式会社伊那自動車教習所


(記述:1997/7/22,9/8)



publish the news




intention

記者発表会

 「伊那xDSL公開利用実験」の記者発表会のお知らせ


 時下ますますご清栄の事と存じあげます。
 さてこのたび、一部情報通信業者からはかねがね熱い注目をあび、常識を覆す革
命的な通信技術と称されているxDSLにつきまして、ささやかではありますがその公
開利用実験を実施する運びと成りましたので、この9月からの開始に先立ち報道関係
者の方々にその趣旨、内容をご説明もうしあげたく、以下、ご案内申しあげます。
 xDSL(xDigital Subscriber
Line)は、従来は不可能とされていた既存の電話線を使って毎秒数メガビットの速
度でデジタル情報の送受信を可能にする画期的な通信技術です。この伝送速度は標
準の圧縮技術等によって容易に動画等を送信できる速度ですから、もしもこれが本
当に利用できる技術であるなら、光ファイバーの敷設を待つことなく全国6千万本の
既存の電話線を一挙にマルチメディア通信網へと変身させることができるわけで、
その社会的経済的影響には計り知れないものがあります。
 しかし、これほどの驚嘆すべき通信技術であるにもかかわらず、一部メーカーや
通信業者の企業内的な実験以外に、利用者の立場でこの真偽を確かめ、利用上の問
題点を解明するための一般に公開された試みは、残念ながらどこにおいてもまだ行
われていません。その理由は、市内の加入者線網がNTTの独占下にあり、回線の貸し
出しや局舎の開放もやっと緒についたばかりという、わが国固有の事情があるから
であると思われます。そこで、すでに米国ではxDSLの商用利用が開始されるとの
話を聞くにつれ、この立ち後れをどこかで挽回しようという情報通信産業に従事す
る企業と、マルチメディア時代へのキャッチアップを果たそうと模索していた有線
放送電話事業者とが、双方のリソースを提供し、とりあえず営利目的や政治目的か
ら離れて、利用実験をボランティアベースで実行しようと思い立ったのが今回実験
の動機であります。
 この限りで、今回紹介させていただく実験は、本邦初の試みであるとともに、先
端技術社会での受容の新しいパラダイムとしても、注目すべきものであると思われ
ます。とくに、すでに過去の時代のものと忘却の憂き目にあっていた有線放送電話
が、新しい技術のもとにその有用性について脚光をあびる点で、実験のユニークさ
をご理解していただけるものと思います。

 尚、xDSLが一部をのぞいてほとんど知られていない通信技術であること、また有
線放送電話についてもその実態が報道の場で紹介される場面もこれまでほとんどな
かったこと等々を考慮し、また、実験のスキームも斬新なものであることなどから
、記者会見というよりも記者発表会と称し、なるべく説明の時間を多くとるように
配慮いたしました。多くの報道関係者のみなさんのご来場をお待ち
申し上げております。


草々




記者発表の日時:
		平成9年8月27日(水)	午後2時〜午後4時30分


記者発表の場所:
		〒105	東京都港区芝公園3-5-8
			機械振興会館 6F 66号室


記者発表の内容:

1.	実験の趣旨と概要の説明		(連絡会代表幹事:全国参加団体)

2.	加入者の実験参加について		(連絡会代表幹事:地元参加団体)

3.	xDSLの技術的背景と今回の実験目標
	3.1	xDSL通信技術について		(xDSL機器提供企業)
	3.2	技術上の実験目標と意義	(システム構築担当者)
	3.3	コンテンツについて		(コンテンツ提供者)

4.	有線放送電話の現状と今回の実験への期待
	4.1	伊那市の有線放送電話とxDSL実験への期待
						(伊那市有線放送農業協同組合)
	4.2	全国の有線放送電話の歴史と現状、xDSL利用への期待
						(日本有線放送電話協会)
	4.3	長野県内の他の有線放送電話について
						(上田市、その他)

5.	その他

6.	質疑応答(約30分)


平成9年8月21日
伊那xDSL利用実験連絡会

事務局担当:	平宮康広

−−趣旨と協力のお願い−−


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「有線放送電話の下でxDSLの公開利用実験を行います」

−−趣旨と協力のお願い−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


平成9年7月31日
伊那xDSL利用実験連絡会代表幹事

安江 輝 (伊那市役所企画課)
東條 巌 (ユニックス・ビジネス・アソシエイション会長)




1. 伊那xDSL利用実験連絡会の発足の趣旨


 xDSLとは既設の電話の加入者線を利用し、電話やFAX機能はそのまま活かしながら
テキストや音声、画像情報等の高速デジタル通信を可能にする大変魅力的な新しい
通信技術です。光ファイバーや同軸ケーブルを新規に施設する必要が生じませんか
ら、安上がりにマルチメディア通信環境を構築することができ、何年先になるのか
わからなかったマルチメディア時代を早々と実現してしまうかもしれません。もち
ろん、光ファイバー通信ほどの高速性はなく、光ファイバー通信を代替することは
できませんが、例えて言えば「高速道路を家庭や職場に通さなくても、地域の生活
道路を多少舗装し直すだけでスポーツカーからトラックまで玄関に横付けすること
ができるようにするものだ」と申せましょう。
 この新技術はすでに米国では大手電話会社の注目するところとなり、今冬にも商
用サービスが開始される予定ですが、これにひきかえ我が国での対応は未だ明確で
はありません。ISDN網との相互干渉等が指摘されてもいますが、どちらかといえばxD
SLの衝撃的といえる登場に虚をつかれ、戸惑っているというのが現状であるかもし
れません。使用する物理メディアが双方とも同じメタリック・ケーブルであるにも
かかわらず、ISDNが100キロビット台であるのに対し、xDSLはその数十倍の数メガビ
ット台の高速通信を実現します。xDSLの伝送能力は光ケーブルの敷設によってはじ
めて達成されるという高度通信社会建設のシナリオの書き直しを迫るかもしれませ
ん。
 しかし、戸惑いの原因は別の所にも起因しています。「百聞は一見にしかず」の
例え通り、全て新しいものは実際に触れ、いじり、体験することから受容されて行
きます。ところが、xDSLに関しては、この肝心の実体験の機会や場が提供されてい
ません。ようやく郵政省等が実験を計画しはじめたのが現状です。この種のユーザ
の利用形態に革命的なインパクトを持つ技術について、回線業者の御宣託を待つと
いう態度では問題です。xDSLは単なる一技術にとどまらず、高度通信社会に向けて
の国民的合意形成に多大の影響を与えうる潜在力を持っているのですから。
 今日まで、私たちはxDSLが本物であり、日本の通信事情のなかで十分活用しうる
ものであるかどうかについての「一見」を欠いており、適否を判断する基礎データ
を所持していません。


「ならば、自らの手で環境を作り、xDSLが何物であるのかその利用を通して実験し
てやろうではないか。もしも使い物になるとの結論が出るなら回線業者を巻き込ん
でxDSL化の世論喚起を大々的に計ろうではないか。」


 伊那xDSL利用実験連絡会は上のような趣旨の下に共同の公開された体験的実験の
場として誕生いたしました。




2. 実験は有線放送電話の下で実施されます


 しかしこの利用実験を企画しようにも、電話の加入者線網は独占状態の下にあり
、その使用は大変困難な状況下にあります。そこで我々は有線放送電話網に着眼し
、これを活用して実験の場を確保することとしました。現在、有線放送電話網の下
では、主として放送事業が営まれいます。しかしながら通信と放送との一体化が求
められている時代背景の中、サービスの高度化に向けて新しい道が模索されている
ところでもあります。有線放送電話の関係者は、かねがねxDSLには並々ならぬ関心
をお持ちです。
 本利用実験は長野県伊那市にある有線放送電話網の下で実施されます。全国的に
は知名度も低くなり、存在感も薄れかかった草の根通信インフラが一躍先端技術の
実験場として登場することにxDSLの有用性と庶民性とが見て取れます。同時に、実
験の場を快く提供して下さった地域有線放送電話の担い手が我が国に健在であった
ことにも勇気づけらます。公衆線網、加入者線網の原形がかってはここにあったの
です。
 有線放送電話網の管理運営者、そして加入者有志が実験の第一の主体であり、中
心です。利用者の立場を尊重した実験、ここに今回の試みの基調が置かれ、まさに
十全の一見の場が用意されます。主に情報通信産業に属し、かねがねxDSLの可能性
や利用に強い関心を持った企業を主とする外部からの実験参加者は実験の第二の主
体であり、共同作業を通して共有の体験をし、必要な基礎データを入手することと
なります。実験項目や方法については対等の立場に立って議論し、共同実験の実を
達成いたします。「xDSLに早く日の目を見させたい」、この一念で我々はユニーク
な実験スキームを組み立てました。




3. 実験は素早く、安く、簡潔に実施します


 xDSLははたして実用に耐え得るのか、これまで伝聞や推測でしか判断できなかっ
たこの疑問に自分の目と耳での実体験で答えを出して行くことが本実験の最大の目
的です。ひとりよがりでないわかり易い結論に達するため、既に光ファイバーによ
るデジタル線網等で行われてきた数メガビットの伝送速度を要する典型的な双方向
の通信事例を可能な限り試行しようと計画しています。テキストや静止画伝送には
じまり、ビデオ放送、ビデオ・オン・デマンド、カメラを利用した遠隔モニターや
会議システムなどに挑戦します。インターネット接続も当然考慮しており、電子メ
ールや快適快速のネットサーフィンを味わってもらいます。もちろん、これら実験
は実際に商用サービスされている有線放送電話網の下で、N対Nのトポロジーで多数
のxDSLが配置される構成のもとで行われます。
 実験は「素早く、安く、簡潔に」を合い言葉にして行います。実験期間は本趣意
書を発表した一ヶ月後の9月から約一ヶ月程度の期間を予定しています。実験規模はx
DSL最終利用者を最大15〜20人ほどに絞りこむこととします。実験に必要なxDSL機器
、ルータ、測定機器、サーバ・コンピュータ、ソフトウェア、コンテンツ等はすべ
て外部の実験参加者の所有品を無償貸与してもらい、全体としての予算措置は講じ
ません。実験プラットフォームも新規開発は極力避けて標準技術で構築します。内
外の実験参加者はすべてボランティアとし関与していただくことは言うまでもあり
ません。
 「素早く、安く、簡潔に」行なう実験は、このように事をおおげさにせず、とは
いえ焦点を外さず、ボランティア精神に依拠して実現する勝算です。また、今後の
有線放送電話網のxDSL化をできる限り安い投資額で実現する最適パターンを模索し
たいという思いもあります。




4. 連絡会の運営


 この7月31日、伊那市の有線放送電話施設、農業団体、自治体関係者、および公開
のxDSL実験の場を求めてきた各企業等が「いなあいネット」本局で一堂に会し、議
論し、上述の実験趣旨と実験内容とに合意し、実験遂行の組織として「伊那xDSL利
用実験連絡会」を正式に発足させました。連絡会を代表する幹事を伊那市と外部実
験参加者から各々一名選出し、日常の連絡調整を担う事務局を設置しました。連絡
会の運営はこれから後、二幹事と事務局とに委ねられます。また、連絡会事務所を
上記「いなあいネット」本局に設置いたしました。これにより事実上9月の実験開始
に向けてのテープが切られました。
 この連絡会の性格を再度確認しますと、徹底的にボランティア組織であるという
ことであります。xDSLの真実を明らかにする、この一点で結束し、当面のビジネス
上の利害を二の次にして企業の枠を超えて集まった自主的組織であり、この立場を
とる事によってより大きなビジネスチャンスの土俵を踏み固めることに意義を見出
しています。はたしてこれで指揮系統が保ちうるのか、統制が取れるのか、こんな
危惧への挑戦もこの共同公開実験の隠された目的であるかもしれません。
 実験は原則公開とし、個別の利害を越えて日本のマルチメディア・ネットワーク
社会全体の豊かな草の根からの成長を培おうとする意欲のある方々に開放されます
。「素早く、安く、簡潔に」の趣旨に反しない限りボランティアは歓迎されます。
連絡会は発足会議参加者を核として同メンバーを拡充するとともに、ここにおいて
広く我が国の情報通信産業関係者、学術機関、諸官庁などに本実験への物心両面で
の支援を訴えるものであります。


 以上、鏤々述べてきました本実験の趣意をご理解いただき、本実験へのご協力を
賜りますうよう、連絡会一同、心より願い申しあげます。




伊那xDSL利用実験連絡会の所在地

	〒396 長野県伊那市境 1420
		伊那市有線放送農業協同組合

		IHK:	     78-3215
		TEL:	0265-78-3215
		FAX:	0265-72-3210

	事務局担当:	平宮康広 (元専門学校講師)




− 地元参加団体 (順不同。平成9年8月21日現在)−


		伊那市有線放送農業協同組合
		上伊那農業協同組合
		伊那市

		(株)伊那自動車教習所
		アド・コマーシャル(株)
		(株)富士通長野システムエンジニアリング
		(株)長野県協同電算

		INAJINインターネット協議会




− 全国参加団体 (順不同。平成9年8月21日現在)−


	システム構築:

		(株)数理技研
		国際電信電話(株) 研究所
		日本サン・マイクロシステムズ(株)

	xDSL機器関連:

		ソネット(株)
		住友電気工業(株)
		パラダイン・ジャパン(株)
		住友電設(株)	
		日本電気(株)

	その他:

		長野県情報ネットワーク協会(NCN)

		(社)日本有線放送電話協会
		(社)農山漁村文化協会

		ユニックス・ビジネス・アソシエイション(UBA)
		日本インターネット協会
		CANフォーラム

		信州大学農学部		有馬 博






(追加掲載:1997/8/28)


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