◆松◆ ◆松◆ ◆松◆
◆ようこそ、PINE HILLへ◆
August/2005

葉月・August・8月

◆8月のアルプス◆

8月1日午後、オープンガーデン信州のお客様7名を駒ヶ根に迎えた。
伊那市西春近のかんてんパパガーデンで食事をした後、
駒ヶ根の田村さん、坂本さん、田中さんらのお庭を鑑賞した。
元信州大学教授の藤田先生のご紹介であった。
私は伊那日中友好協会の役員会に出席する為、途中までの案内となった。



◆冷やしローメン◆

ローメンの発案者である「萬里」食堂の伊藤和弌氏から冷やしローメンの試食に誘われた。
伊那市のスローフード「ローメン」
暖かいローメンは、ラーメンではない、焼そばでもない、不思議な味だ。
冷やしローメンは薬味が効いて、さっぱりとした、夏の味に生まれ変わっている。
ちなみに、ローメンは蒸し麺を使用し、6月4日は「ローメンの日」として登録もされている。



◆白い紫陽花◆

3日4日と東京・千葉に出張した。
真夏の東京の気温は33度Cを越えた。
銀座の得意先を訪問すると、うだるような厚さに、ハンカチがびっしょり濡れた。
夏は特に、信州に家があることを倖に思う季節だ。
二日目は渋滞を避けて、久しぶりにアクアラインを通過し、
横浜、御殿場、河口湖経由で信州に戻った。



◆8月の庭◆

8月6日土曜日、夏はお祭の季節だ。
この日は、伊那まつり、中川ドンちゃん祭、そして、松本ぼんぼん、長野びんずる・・・・。
夕方からは駒ヶ根花と緑と水の会の花壇整備、そして懇親会。
気のあった仲間同士で交わす会話や食事やお酒は、倖を感じるひと時だと思う。
我家の庭も、夏の彩りに変わっていった。



◆農家の花菜園◆

北割の北原にある農家の木戸先。
お盆花のために準備された花の畑。
アスターやオミナエシ、ケイトウやミゾハギ、・・・・。
春から秋まで、様々な花が咲き誇る、素朴さが美しい、農家の庭先。
8月8日、国会は参議院で郵政改革法案が否決され、小泉首相は衆議院を解散した。



◆日の入り◆

9日10日、再び千葉東京に出張。
このところ、地震が多い。
「国が荒れると、天変地異が起こる」とも言われるけれど、
人類の文明そのものが、大きな過度期に差し掛かっているのだろう。
暦の上では立秋をすぎて、秋。
真夏から晩夏へ、たそがれが美しい季節がやってくる。



◆桃色の蓮の花◆

木戸先の蓮の田圃に淡い桃色の蓮の花が咲いた。
大きな葉っぱに大きな花影を落としている。
両手で包みきれない大きさ。
夏の朝の壮麗な大気の中で、蓮の花の姿は、厳かに神々しい。



◆御前崎市 正徳寺◆

8月13日、日帰りで千葉に出張。
昼頃、妻から友人の死の知らせが届きました。
先月24日、菊川の病院に見舞った妻の無二の親友の死。
15日の日曜日、御前崎市の山懐にあるお寺で行われた葬儀に、二人で参列しました。
お母さんを物心つく頃に亡くし、その後、お父さんが再婚。
結果として4人姉妹の長女として、自分の事より人の事を優先し、
ガンの手術を受けた後も看護師に復帰し、常に他人の事に費やした人生。
49歳、優しく強く、そして明るく、ひたすら、前向きな人生でした。



◆女郎花◆

今年のお盆も慌しかった。
14日、三月に亡くなった同級生の家を初盆でたずねた。
庭先にはガーデニングがなされ、きれいな花々が未亡人の心を癒していた。
夕方からは町の商店街の企画に参加して、駒ヶ根太鼓を演奏した。
15日には、家内の友人の葬儀に初めて御前崎市を訪れた。
山の斜面に広がるみごとな茶畑、セミの声、潮風の香り、忘れられない夏。
その日はまた、長男の成人式の日でもあった。
早朝7時から地区での成人式、そして氏神様へのお参り、文化会館での成人式。
責任を持ち、自立した大人に、なってくれることを願う。
16日、宮城県沖で再び大きな地震、遠く離れた南信州でも震度3の揺れを感じた。
死者こそ出なかったものの、けが人が多数でたもようだ。
お盆の帰省客の足に大きな影響が出た。



あさがお 木槿(ムクゲ) 仲良しの芙蓉 トロロアオイ
△昔ながらの素朴な朝顔の花。
朝顔の開花日記をつけた幼い頃が懐かしい。
△朝露に濡れて咲くムクゲの花、一服の清涼剤。
槿花一朝の夢、朝に咲き、夕べにはしぼむ一日花。
△次々に咲く清楚であでやかな芙蓉の花。
「今朝も一つ咲きし芙蓉のあざやかさ きのふの花は既に散りたる」大悟法 利雄。
△毎朝たくさんの花をつけるトロロアオイ、別名は黄蜀葵。
花は食用で、オクラのように粘粘(ねばねば)があり、独特の噛み応えがとっても新鮮。
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お盆の頃には、ご先祖様への仏壇を飾る「お盆花」が色とりどりに咲いている。
迎え火で迎え、花で飾り、親戚縁者が集い、故人を偲び、送り火で送る。
穏かで美しい日本の心の風景。



◆花菜園◆

17日18日、再び東京・千葉に出張。
盆明けで都内は大渋滞。八王子から穴川まで2時間もかかってしまった。
都内は、相変わらず蒸し暑い。
19日夜、東伊那の農業公園で行われた「囲炉裏端塾」。
山の道化師の塚原成幸さん(日本クリニクラウン協会)の講演。
笑いと健康について、たいへん良いお話しをお聞きしました。
20日土曜日午後は休日にして、少々夏ばて気味の我家の花壇の手入れ。
「園芸福祉と笑い」、健康へのキーワードが此処にある。



◆中央アルプス◆

21日、倉庫から箱にして100箱、約1.5tの商品をトラックに積み込み、
翌22日には日帰りで同僚と千葉までとんぼ返りした。・・・・・疲れた。
23日夜には伊那日中友好協会役員らで、
中国人留学生の伊那市でのホームステイ歓迎会を行った。
小坂市長、三沢議長、市役所職員らと、二人の留学生との歓談を楽しんだ。
翌24日、多少二日酔い気味ではあったが、予定通り名古屋まで商談に・・・。
そして、25日26日は台風11号が関東を訪れるなか、再び、東京・千葉へ。
仕事が重なるときは、いろいろと重なるものだ。
26日は、午後3時から駒ヶ根での市民会議。
28日の日曜日の午後は、駒ヶ根花と緑と水の会の花壇整備と役員会。
夜は高遠町のとある民宿で、囲炉裏を囲み、気のあった方々と郷土料理に舌鼓。
「倖とは食べること」かもしれない。
家族と、親戚と、気の会った仲間達と、美味しい食事ができる時が一番幸せ。
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壊れたカメラを修理しようか迷っていたが、
発売後一年を経過した旧在庫が破格の値段で売られていた。
10倍ズームのカメラを再び手にして、朝の中央アルプスを撮った。



◆日が沈む時◆

29日30日にはU.S.Aを史上最大とも呼ばれるハリケーン「カトリーナ」が襲った。
日本の30日は、9月11日の衆議院選挙に向けて選挙戦が始まった。
私は30日31日、再び千葉に出張した。
勤務先で6年程前から千葉に出店していた店舗をとうとう売却。
30日は最後の営業日となった。
開店以来のスタッフが4名いた(たいへんお世話になりました、感謝です)。
翌31日は、最後に残った店長と二人で残務処理をした。
朝10時に店舗に出勤すると、店長は既に来ていた。
彼は、私を見ると直立不動で言った。
「私の力が足りず、こんなことになってしまって申し訳ありませんでした。
とうとう最後の日となりましたが、精一杯やりますので、今日一日よろしくお願いいたします。」
店舗では売却先の人々が、ばたばたと作業をする中、
まるで、敵が攻めてくる中での最後の仕事、沈み行く戦艦での最後の仕事、の様だった。
数々の計算を終え、売却先に説明し、代金を振り込んでいただいた後、全ての鍵を手渡した。
その後、パソコンをはずし、事務所を清掃し、店長と最後の仕事をした。
お世話になった店長は30代を目前にして、再度の転職。
しばらくは雇用保険で暮らし、資格を身につけて再就職に望む予定だという。
良い時があれば、悪い時もあった。悪戦苦闘の日々だった。
コンビニ同様に朝から晩まで年中無休の店舗だった。
大晦日も元旦もクリスマスもお盆も朝から晩まで営業した。
様々な思いが脳裏を横切った。
やがて、売却先の方と挨拶を交わし、事務所のドアから外に出た。
店長と最後の挨拶をし、握手をした。
彼は、にこやかに笑いながら握手を返し、頭を下げた。
そして、神妙な顔つきに変わり、事務所のドアに向かうと再び、深々と頭を下げた。
午後4時、荷物で一杯になったハイエースを運転し、千葉を後にした。
都内を抜けて八王子インターを通過する頃、大きな真赤な夕日が地上近くに燃えていた。
まるでドラマの一シーンのように、なぜか無性に涙がこぼれ、頬を伝って流れていった。




◆先月へのDOOR◆

先月へのドアです。
ノックしてお入りください。

◆DOOR◆
「PINE HILL・
その昔」のドアです。
ノックしてお戻り下さい。

◆翌月へのDOOR◆

翌月へのドアです。
ノックしてお入りください。

ohara@komagane.com